古典文学読書会のブログ

会員制の古典文学の読書会を開催しています。 第4金曜日の夜オンライン開催。 問い合わせは、classical.literaturesアットジーメルまで

A Column of Fireを読む 洋書マラソンその4

 

洋書マラソン4冊目 

 

読書期間 2023/3/3-2023/8/2 907ページ

 

16世紀後半のプロテスタントの隆盛を主にイギリスとフランスを舞台に描いた歴史小説

 

ケンフォレットのキングスブリッジシリーズの第三作目。

 

歴史の教科書ではサンバルテルミの虐殺でたくさんのユグノーが死んだということは知ることができるが、当時の、プロテスタントカトリックの心の動きまでを想像し、気持ちを重ねることは難しい。

 

歴史小説の良い点はそれぞれの登場人物に感情移入しながら読み進めることができることだ。歴史を疑似体験できる。

 

例えば、当時は、プロテスタントというだけで変な言いがかりをつけられて、裁判を起こされ、必ず負けてしまうというような異常なことが起きていたらしい(時代と国に少し違うとカトリックが被害者の立場にあったケースもある)。それは商売を営む上で、プロテスタントというだけでとても不利になってしまうことを意味する。商取引関連の裁判でプロテスタントが必然的に負けしまうからだ。

 

そのような日常的にあった当時の宗教差別、迫害を知る手立てを提供してくれるイギリスの歴史小説

 

本当に不遜な言葉になってしまうのだが、殉教していった人たちの熱量は異常だ。火炙りの系によりその命が終わり時に、主への祈りを絶え間なく続けるである。