古典文学読書会のブログ

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The Pillars of the Earth: A Novel (邦題:大聖堂) by Ken Follett を読む

 

洋書マラソン その1

2022/5/23-10/3 の約3ヶ月で読んだ。1070ページ。

 

舞台は12世紀のイギリス。当時の教会を中心とした暮らしを想像する上でも良い作品。

 

ロマネス様式からゴシック建築への移行が描かれている。

 

主人公を美しい大聖堂を建築することを夢見る石工(メンソン)。

 

簡素なロマネスク様式の建築から

 

優雅なステンドグラスとそれを支えるフライングバットレス(外から壁を支える仕組み)が特徴のゴシック様式が誕生する様が描かれている。

 

人権という概念が乏しい中世のアナーキー(無政府状態)の元での暴力(レイプや戦争、飢饉、暴動、放火)の描写が印象的であった。

 

宗教で規定されている社会は、敬虔の念を持つことが美徳されている点が良いと思った。それは近代社会では抜けてしまっている点だ。もちろん、中世の非科学的な側面が悪い結果につながることはあるとは思う。例えば、医学などでは現代では到底信じられないような魔術めいた治療がまかり通っていた。