古典文学読書会設立にまつわる思いを書き綴ります。
・人格形成と創作を出口に見据えた学習プログラムとしての読書会
人類の文化的遺産に触れる古典読書は人生の奥深さに触れるきっかけになることでしょう。古典読書が個人の人格形成を助けてくれのです。
私は教育の出口とは人の真似をせずに独創できる人材なること、と考えています。古典読書を通して、本物の持っている生命力に触れることでご自身の人生でオリジナルの創作を生み出す際の助けになれば幸いです。
・グローバルな視座の涵養
課題の古典文学作品を読了した参加者による感想を共有する会を行っています。古典作品を楽しみ、味わい、古典を読む文化を世に広めていく会です。2019年に開始しました。
トルコ史家の鈴木董氏の文明論に影響を受け、世界を各地域でローカルに使用されている文字により5つの文明圏(漢字世界、ラテン文字世界、キリル文字世界、梵字世界、アラビア文字世界)に分け、それぞれの地域の古典を読んでいます。広くて深い国際人として視座を涵養する狙いがあります。
・古典文学読書会発足の背景
知的遺産の継承を尊ぶ伝統を打ち立てることは創造的で成熟した社会の基盤たりえます。欧米社会が今でも学術の分野で世界をリードしている理由は、古代ギリシャ時代からの知的遺産の継承を重んじる伝統があるからではないでしょうか。知の体系的な継承が行われていることは共同体の強さの根源たりえます。古典を読むことで先人たちの業績に畏敬の念を持ち、古代の時代から連綿と続く人類史の中に自分自身を位置付けることで、現代社会の問題に向き合う知力を養い、ひいては不確かな未来へ向けて大胆なビジョンを打ち出す助けになるのではないしょうか。